2020年08月31日
最適なトレーニング量ってどのぐらい?
ブログ
目次
1.筋肉の発達に1番効果的な『セット数』とは?(部位別)
1.1. 週に何セット?
1.2. 週に10セット以下は意味がないのか?
1.3. 部位別セット数
2.筋肉の発達に1番効果的な『トレーニング頻度』とは?
2.1. 週1 vs 週2のトレーニング
2.2. 週2 vs 週3のトレーニング
2.3. どのぐらい間隔をあけるべきか
筋トレの効果を最大にしたい!
と考えているあなたへ、
トレーニングの量:
・1週間に必要なセット数
・トレーニングの頻度
についてお話しさせていただきます。
実は週1だと期待できる効果が限られてしまっているのです。
さて、どれぐらいのトレーニング量が最適なのか、詳しくみて行きましょう。
1.筋肉の発達に1番効果的な『セット数』とは?
1.1. 週に何セット?
筋肉を発達させるためには、1週間に行うセット数がとても重要になってきます。
(*もちろんレップ数や重量も大事ですが今回はセット数に着目していきます)
ひとつの体の部位に対して、どれぐらいセット数が必要なのでしょうか?
実は、1部位につき週に10セット以上やるのが1番良いとされています。
10セット以上とはどういうことか、より詳しく説明します。
まず以下のグラフを見てください。
筋肥大とセット数の関係は以上のようになっております。
筋肥大がピークになるのは10セットから20セットの間ぐらいで、ここは個人によって変わります。ある点まで(⭐️にいたるまで)は筋肥大は上昇していきますが、ある点を超えると(⭐️よりも右)筋肉はオーバーワークになってしまい発達しなくなってきてしまいます。
よって、10セット以上とは個人によって違うので、ひとりひとり自分にあった量を見極めていくのが重要です。
1.2.週に10セット以下は意味ないのか?
それでは10セット以下は意味がないのでしょうか?
決してそうではありません。
それを証明するために以下の研究を見ていきましょう。
📕筋トレ界で有名な研究者ブラッド・ショーエンフェルド氏は、いろいろな研究結果をまとめたメタアナリシス論文を発表しています。
その論文では、週に①1-4セット、②5-9セット、③10+セットの場合における、筋肉の発達量の違いを比較をしています。それぞれの場合で、どれだけ筋肉が増量したのでしょうか。
(結果)
①1-4セットの場合:5.4%の筋肉量増加
②5-9セットの場合:6.6%の筋肉量増加
③10+セットの場合:9.8%の筋肉量増加
この結果から学ぶべき1つ目の点は、
①1-4セットの場合と③10+セットの場合では、2倍も筋肉の発達度合いが違うということです。つまり現在、1−4セットでトレーニングしている人は、結果が2倍になる可能性を秘めているのです。
この結果から学ぶべき2つ目の点は、
ひとつの部位に対して、週に1-4セットやるだけでも筋肉量の増加はしっかりと見られるということです。5.4%の増加は決してばかにできる数字じゃありません。1番筋肥大が多くて③のように10%の筋肉量の増加量なのですから、1-4セットやって5.4%も増加できると考えると十分に嬉しい結果です。何にもやらないよりはやったほうがいいということです。
たしかにセット数が高くなるにつれて、筋肥大は大きくなっています。しかしそれは、10セット以下は意味がないということではありません。1−4セットでもしっかりと筋肥大はします。10セットが多すぎるという人は、自分ができる、最大量を頑張っていただければ十分良いと思います。
1.3. 部位別セット数
体の部位ごとに必要な1週間のセット数はどれぐらいなのでしょうか?
結論から言うと、以下のようになっています。
1週間に必要なセット数:
・胸/背中/脚:10+セット
・腕/肩:8セット程度
腕や肩が少ないセット数を要するのは、胸/背中/脚などのトレーニングで腕や肩も一緒に使うことが多いからです。例えば、ベンチプレスで胸を鍛えようと思ったら、勝手に二の腕の上腕三頭筋というところも一緒に使われます。もし胸/背中/脚のトレーニングをしないようであれば、肩や腕のトレーニングはもっとやってもいいかもしれません。
トレーニング量のセット数についてご紹介いたしました。
とりあえず各部位10セットずつを目安にして、そこから少しずつセット数を増やしていきましょう。
それでは、次に、最適なトレーニング頻度についてみていきましょう。
2.筋肉の発達に1番効果的な『トレーニング頻度』とは?
10セットは多すぎだと思っていませんか?
重要なのは、週にこの10セットをどのように配分していくかです。
そうした場合、トレーニング頻度は週1、週2・3、週4以上のどれが最適なのか気になりますよね。果たして、週何回トレーニングするのが科学的に正しいのでしょうか。
実際に、トレーニング頻度比較した研究があるのでチェックしてみましょう!
2.1. 週1 vs 週2のトレーニング
週1回と週2回のトレーニングでは、どちらの方が筋肉の発達が大きいのでしょうか。
*行う合計セット数は同じ数とします
次のメタアナリシス研究(多くの研究結果をまとめたもの)をみてみましょう。
📕この研究(*2)は、週1回でトレーニングを行なった場合と、週2回でトレーニングを行なった場合のそれぞれの筋肉量の増加から、週1と週2どちらを推奨している研究が多いかということをまとめています。
みて分かる通り、ここに記載されている全ての研究が、週2回の方が週1回より筋肥大に有効だという結果を出しています。
さらにこの研究では、
週1回と週2回のトレーニングでは平均でどれぐらいの筋肉増加量の違いがあったかも出しています。
(結果)
①週1回のトレーニングの場合:3.7%の筋肉量の増加
②週2回のトレーニングの場合:6.8%の筋肉量の増加
同じセット数をやっているのに、たった1日の違いで3.1%も筋肉の増加量が違うのです。要するに、週1よりは週2にトレーニングを分けた方が、オススメだと言うことです。
2.2. 週2 vs 週4のトレーニング
週2と週4のトレーニング頻度ではどのような違いがあるのでしょうか。
📕上半身のトレーニング頻度を週2と週4のに分けて、6周間継続的に行なった研究(*3)をみてみましょう。
その研究では、まさかの、週2のトレーニング頻度の方が、週4のトレーニングよりも上半身の筋肥大が大きかったことが分かっています。
つまり、トレーニング頻度が高すぎてもいけないということなのがわかります。一部位に対するトレーニング頻度が週2ぐらいが最適だという理由については、次の章でご紹介します。
2.3. どのぐらい間隔をあけるべきか
一部位に対するトレーニング頻度は、週2ぐらいがちょうど良いのです。
その理由は以下の2つに関係します。
①筋肉の回復時間
②筋合成の時間
この2つが何故、頻度を決定するか説明します。
①筋肉の回復時間
筋肉が回復する時間は、部位によって違いますが、だいたい24~72時間かかります。以下の表がそれぞれの回復時間です。
72時間(3日)で回復:
広背筋(背中)、脊柱起立筋(背中)、大腿四頭筋(もも前)、ハムストリングス(もも後)
48時間(2日)で回復:
大胸筋(むね)、三角筋(かた)、上腕三頭筋(二の腕)、上腕二頭筋(力こぶ)、僧帽筋(くびや背中の後ろ)、大臀筋(おしり)
24時間(1日)で回復:
腹筋群、前腕筋群(まえ腕)、下腿三頭筋(ふくらはぎ)
このように、筋肉は回復に時間を要するため、一部位に対して週に2回のトレーニングが理想的になってきます。回復を待たずにトレーニングをしてしまうと、筋肉は大きくなりません。もはや筋肥大にはマイナスです。
次に、
②筋合成の時間
研究(*4)によると、筋肉が作られる時間は、筋トレをしてから36~48時間続くと言われています。そのため、筋肉を作られる時間を有効活用したければ、週2回、3回ぐらいのトレーニングがちょうど良いことになります。
つまり、下のグラフのように筋合成の時間を確保したいわけです。
もし週に1回やっただけだと、この筋合成の山は1個だけとなります。それに対して、週に2回トレーニングをすると山が2つなので、それだけ筋肉は成長しやすいということになります。週1よりも週2が良いのはこのためです。
逆に下のグラフのように山が多すぎても、効率が良いとは言えません。さらに、筋肉の回復を考慮していないので、オーバーワークになることが予想されます。
すなわち、一部位に対するトレーニング頻度は週に2回行うのがベストです。
その際には、筋肉を回復させるために2日ほど時間を空けましょう。
まとめ:
以下の画像一枚にまとめました。
以上になります。
いつも読んでいただきありがとうございます!
-廣田
参考文献:
①Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis
② Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis
③Comparison of 2 weekly-equalized volume resistance-training routines using different frequencies on body composition and performance in trained males
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29216446/
④A review of resistance training-induced changes in skeletal muscle protein synthesis and their contribution to hypertrophy