2020年08月18日
筋トレの質向上:最も研究されているサプリとは?
ブログ
目次
1.筋トレの効果を高めるには?
2.クレアチンってどんなサプリ?
2.1.クレアチンの効能
2.2.クレアチンの有効的な摂取方法
3.注意点
まとめ
あなたの理想とするボディを目指すには、筋トレの質がとても重要です。
筋トレの質を意識せずにジムに行ったとしても、ただキツいだけで結果がついてこない状況に陥りやすくなります。
そんなもったいない筋トレ時間を、とても効果的で短時間な筋トレ時間に変えるためにこの記事を読んでいただけたら幸いです。
1.筋トレの効果を高めるには?
筋肉が成長するには、徐々に負荷を増やしていく必要があります。
同じ負荷でいつまでやっていては、体は筋肉を成長させる必要性を感じないわけです。
筋肉を成長させないと負荷に耐えられないという状況に持っていきたいわけです。
例えば下の2つの例を見てみましょう。
例)スクワット10回を3セットの場合
Aさん→4週間でスクワットの重量変化なし
1周目:30kg
2周目:30kg
3周目:30kg
4周目:30kg
Bさん→4週間でスクワットの重量を1週間ごとに2.5kg増えていった
1周目:30kg
2周目:32.5kg
3周目:35kg
4周目:37.5kg
Aさんの負荷は全く変わっていないため、筋肉の成長はほとんど見られないでしょう。Bさんの場合は負荷がしっかりと増えていって、その結果、体がより筋肉の成長を必要としているため、筋肉の肥大が見られるでしょう。これをフィットネス業界では、オーバーロードの原則といい、筋肉を発達させるのに1番大事な要素と言っても過言ではないでしょう。
ここで問題なのが、重量を更新できないことです。Aさんのようにジムにいっても、エネルギーが足りなくてどうしても負荷を高めていけないという事は結構起きます。
エネルギー不足によってなかなか筋トレで成果がだせない、そんなもったいない筋トレ時間を過ごしてしまっている方にオススメしたいのが、、
クレアチンというエネルギーの出力を高めてくれるサプリです!
エネルギーを出しやすくなったらトレーニングの質ってだいぶ高まると思いませんか?
2.クレアチンってどんなサプリ?
クレアチンは世界的にも最も研究がなされているスポーツ用サプリで、700以上の人体実験による研究が行われています。これらの多くの研究で安全で効果があるサプリだという結論が導かれています。21週間の継続的なクレアチンの摂取で全く健康的被害がなかったという研究結果もあります(*1)。
クレアチンの種類はいっぱいあります。しかし上記の研究で、安全性や効果が確認されているのはクレアチン・モノハイドレートという種類のみになります。クレアチンは絶対にクレアチン・モノハイドレートを選ぶようにしましょう。
クレアチンはサプリから摂取する必要があります。クレアチンは体内でも自然に合成できますが、それだと全然足りません。例えば食品だと生肉に多く含まれていますが、1ティースプーンのクレアチンを食材から摂取するためには、1kgの生肉をたべる必要があります。さらに、生肉は衛生的ではため調理をしますが、そうすることでクレアチンの量も減ってしまうので、サプリがオススメです。
2.1.効能
このサプリの効能を簡単に紹介すると、
①筋出力の向上
②筋持久力の向上
③筋肥大の促進(筋サテライト細胞の増加)
つまり、
→①トレーニングで力がでる!
→②トレーニングの持久力があがる!
→③トレーニングによって筋肉が増えやすい
ということになります。
①、②のようにクレアチンがエネルギー生産を助けてくれるとはどういうことなのでしょうか。
私たちの体のエネルギーの単位はATPです。
エネルギーが発生するタイミングは、ATP(アデノシン3リン酸)がADP(アデノシン2リン酸)に変わる時です。ADPに変わってしまうとエネルギーがそれ以上作り出せません。そこでクレアチンのクレアチンリン酸という物質がADPをATPにまた戻してくれることでエネルギーを再生産してくれているのです。
③のように筋肉が増えるのはどうしてでしょうか?
もちろん①や②のような要素で筋トレのパフォーマンスがあがったことも大きな理由ですが、もっと違う理由もあります。それは筋サテライト細胞という、まだ筋細胞になりきれていない若い細胞が主役になります。この未熟な筋細胞が、トレーニングなどによる刺激によって、もともとある筋細胞にくっつこうとします。その時に使われる物質がクレアチンなので、筋サテライト細胞をくっつかせて、筋肉を大きくするのに助けるのです。
実際の研究から他にどのような効果が見られたかとというと、、
・300もの研究で筋肉の最大出力が5〜15%増大が認められている(*2)
・6年間トレーニングを行なっている人でもベンチプレスで挙上回数が30%も上がった(*3)
という結果もでています。
2.2.方法
肝心な方法について、
クレアチンを体内に飽和(行き巡らせる)させるのには2つパターンがあります。
①一気に摂取してローディング(積まさせる)
飽和させるまでの期間:1週間以内
ステップ❶1日20~25gの摂取を1週間続ける
ステップ❷その後は3~5gの摂取をすることで飽和状態をキープ
②徐々に積んでいく
飽和させるまでの期間:約1ヶ月
ステップ❶1日3~5gの摂取をつづける
研究(*4)によるとどちらの方法もクレアチンを飽和させるにはどちらの方法も有効だとしていますが、①のローディングさせる方法の方が単に飽和させるのに時間を要さないことでオススメです。
クレアチンの摂取率をよくさせるには、
クレアチンに炭水化物とタンパク質を同時に摂取するといいです。研究(*5)によるとそれぞれの適量は炭水化物〜47g、タンパク質〜50gです。これを実践するには、ブレンダーにフルーツ数種、プロテイン、クレアチンを入れて混ぜてシェイクにするのがオススメです。
3.注意点
注意すべき1つ目の点は、
クレアチンに反応しにくい人が全体の20〜30%いるということです。
反応しやすい人としにくい人の特徴は以下の通りです。
正常にクレアチンが反応しているかどうかについては、ご自身の感覚と、それと一つの指標として、体重の増加があります。体重が増加するのはクレアチンの筋肉に水を保持させる性質から、水の分体重が増えるということになります。もし気になるようでしたら是非その方法で試してみてください。
それと注意点すべき2つ目の点は、
副作用で、遺伝的に髪が薄い人は、髪が薄くなる可能性があるということです。
クレアチンの安全性と効果については国際スポーツ栄養学会(ISSN)で3段階評価の中で最も高いA評価をもらっているのですが、唯一欠点があるとするとこのような副作用がでてくる可能性があるということです。あくまで可能性なので、絶対ではないのですが、頭にいれておいた方が良さそうです。
この副作用のもととなった研究(*6)は、ラグビー選手たちのクレアチン摂取を継続的に行なったものになります。DHTというという物質は髪が薄くなるのに貢献する作用を持っているのですが、毎日5gのクレアチンを2週間摂取した選手たちはDHTのレベルが最初と比べて40%あがったそうです。遺伝的に髪が薄い家庭で育った人が主にこの副作用を受けやすいとのことです。
まとめ
クレアチン・モノハイドレートはトレーニングのパフォーマンスをあげます。
具体的には、筋出力の向上、筋持久力の向上、筋肥大の促進によってトレーニングの質は高まります。トレーニングの筋出力や筋持久力があがると、重量を更新していく(オーバーロード)ことができ、体がもっと筋肉を増やさなきゃという信号を送りやすくします。
まずはクレアチンを体内に充満(飽和)させることが必要でしたが、その最も早い方法はローディングすることでした。これは一気に短期間で摂取する方法でした。
安全性、効果、安価なことから世界的にスポーツ界でも筋トレ界でも認められているサプリですが、クレアチンが効かない人がいることや、髪が薄くなる可能性があるということは頭にいれておいた方がいいかもしれません。
トレーニングの質に困っている方、またはただ単により早い結果を求めたい方は、是非ご検討されていてはいかがですか?
*書き忘れていましたが、サプリの中でかなり安価です。
-廣田
参考文献
1
★Long term creatine supplementation does not significantly affect clinical markers of health in athletes
https://link.springer.com/article/10.1023/A:1022469320296
2
★Effects of creatine supplementation on performance and training adaptations
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12701815/
3
★Creatine supplementation enhances muscular performance during high intensity resistance exercise
https://europepmc.org/article/med/9216554
4
★International society of sports nutrition position stand: creatine supplementation and exercise
https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/1550-2783-4-6
5
★Protein and carbohydrate induced augmentation of whole body creatine retention in humans
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10956365/
6
★Three weeks of creatine monohydrate supplementation affects dihydrotestosterone to testosterone ratio in college aged rugby players
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19741313/