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2020年09月08日

有酸素運動で省エネになっちゃう?

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目次


1.有酸素をするほど体は省エネになる?


2.解決策


 

1. 有酸素をするほど体は省エネになる?


ダイエットを促進させるために、有酸素をしますよね。


しかし間違ったやり方だと、ダイエットに逆効果になってしまう可能性があります。


 

実は、有酸素には体を省エネにさせてしまう作用があります。


省エネにしてしまうとはどういうことでしょうか。


まずは、体がどのように一日のエネルギー消費をしているのかみてみましょう。


 

総消費カロリーのうちわけ:


IMG_1193.jpeg


BMR:基礎代謝なにもしなくても消費されるカロリー


NEAT:非運動性熱産生運動以外の身体活動で消費されるカロリー


EAT:運動性熱産生運動することで消費されるカロリー


TEF:食事誘発性熱産生食べ物を消化することで消費されるカロリー


 

有酸素運動が体を省エネにしてしまうという理由は、上記の消費エネルギーうちの、NEAT(非運動性熱産生)・BMR(基礎代謝)・TEF(食事誘発性熱産生)を下げてしまうからです。つまり運動時以外の消費カロリーが、少なくなってしまうのです。なぜこれらが下がってしまうのかについては、研究①と②を見ていく必要があります。


 

①:有酸素ダイエット前と後の、軽運動のカロリー消費を比較した研究(*1)があります。


ちなみに有酸素ダイエット後は、10%体重が減っていました。


この研究でわかったのは、ダイエット後のほうがダイエット前より、軽運動における消費カロリーが15%も少なくなっていたということです。つまりダイエット後の方が、消費されるカロリーが少なくなってしまったのです。その結果、ダイエット後は1日の消費カロリーが575kcalも減少していました。


ダイエット後に、軽運動でのカロリー消費が減ってしまった理由は、筋肉の効率化が起きてしまったからです。運動時に筋肉をなるべく使わないようにするということです。そうすると、NEAT日常動作などの身体活動で使うエネルギー)で消費されるカロリーは少なくなってしまいます。何故かといえば、有酸素運動をしたあとは体力を温存したくなり、いつもより座っている時間が長くなったり、アクティブに行動しなくなったりします。なので、運動をした日には、1日を通して意識的に体を動かす必要があります。


このように、有酸素運動はNEAT(非運動性熱産生)で消費するカロリーを下げました。


 

②:有酸素運動は、運動によるエネルギー消費以外のエネルギー消費を下げるということを示した研究(*2)があります。運動によるエネルギー消費はEAT(運動性熱産生)ですので、それ以外ということは、先ほど紹介したNEAT(非運動性熱産生)やBMR(基礎代謝)・TEF(食事誘発性熱産生)が下がるということになります。次のグラフを見ていただければ、どのようにしてBMRTEFまでが下がってしまうのかお分かりいただけると思います。



左の図は、有酸素運動が、ただ単に消費カロリーに足される場合です。


左の図では、身体活動量が増えると、総消費カロリーは真っ直ぐ斜め上に上がっていますね。


しかし現実では、そうはいきません。現実では、右のように運動によってエネルギー消費が増えれば、運動以外のその他(BMRTEFNEAT)が下がっていきます。そのようにして、1日のエネルギー消費が上がりすぎるのを、体が勝手に調整してしまいます。


NEAT(非運動性熱産生)だけではなくTEF(食事誘発性熱産生)やBMR(基礎代謝)も下げてしまうのが、有酸素運動のネックなポイントでした。


 

ですが、有酸素運動がわるいという話ではありません!


有酸素運動を正しく行えれば、ダイエットを促進させる効果はもちろんあります。


次の章で、有酸素運動を正しくダイエットに活用するための詳しい方法をご紹介いたします。


 

 

2. 解決策


有酸素運動を正しくダイエットに活用させるには、NEATBMRTEFにおけるエネルギー消費を下げないことが重要です。


そうするためには、次の3つのステップを実行してみましょう!


 

ステップ①:軽い運動を習慣化する


ステップ②:運動時間や強度を少しずつあげる


ステップ③:運動習慣を持続させる


 

摂取カロリーが1日の消費カロリーより下回っているということは、大前提として、次のステップを紹介します。


 

ステップ①:軽い運動を習慣化する


 

まずは、軽い運動を習慣化させましょう。


まずは、EAT(運動性熱産生)を増やすことから始まります。


軽い運動の例としては、歩いたり、傾斜をつけた歩きをマシンなどで行うのでOKです。


毎日10分歩く時間を確保しましょう。


もし毎日はきついという理由であれば、週に4回行うと習慣化に役立つと言われています。さらにいうと、週に4回を8週間行えれば、どんなことも習慣化が可能だとされているので、ぜひお試しください。


 

ステップ②:NEATを維持しながら、運動時間や強度を少しずつあげる


 

もし同じ運動量で体重減らなくなってきたら、体が省エネに入ってきたサインです。


そうしたらウォーキングの時間を510分延長できるように設定しましょう。それか、傾斜を少しだけきつくして、運動強度をあげましょう。


 

どれだけ歩いたか、携帯を利用して、確認するとよいでしょう。


だんだん運動を増やしていくと、 NEAT(非運動性熱産生)が下がってきてしまう可能性が大きいです。そういうことが起きないために、普段からどれぐらい運動以外で身体活動を行なっているかチェックし、NEATを下げないことが重要です。運動としてのウォーキングと、NEATとしてのウォーキングは分けて考えた方が良いでしょう。つまり、運動としてウォーキングは歩数にカウントしない方が、NEATがどれぐらいできているかが把握しやすいと思います。


 

ステップ③:運動習慣を持続させる


どんどん運動時間や強度を増やしていくのは厳しいですよね。


そのため、自分が持続できるという運動量に徐々に調整していくのも重要です。


もちろんダイエット期間中は、②のように、停滞期が来るたびに運動量は増やしていった方がよいと思います。しかしある程度目標に達した時にパッと運動をやめてしまうのはもったいないです。肝心なのは、継続できるかどうかなので、自分が毎日できるぐらいの時間や強度に慣らしていきましょう。




 

そして、最も重要なのは、筋トレを同時進行することです。


これは正直ステップ①から書いても良かったのですが、運動習慣を持続させるという観点で、ステップ③に配置しました。


筋肉の効率化において、筋トレは有酸素運動とは、逆の立場にあるとされています(*3)。


有酸素運動は、筋肉の効率化をまねいて体を省エネにさせてしまいます。つまり、筋肉をなるべく使わずして、運動を行うような体に変えてしまうということです。それに対して、筋トレは、なるべく運動時において筋肉を多く動員しようとします。そのためBMR(基礎代謝)をあげる効果があり、1日の総消費カロリーを上げてくれるのです。なので、有酸素運動によって、筋肉の効率化をさせないために、筋トレも同時進行でやるのがベストです。


筋トレも習慣化させたいので、できる範囲で持続させましょう。


 

 

まとめ


有酸素運動は正しく行わないと、NEAT(非運動性熱産生)・BMR(基礎代謝)・TEF(食事誘発性熱産生)を下げてしまうということでした。


それは何故かというと、1日の消費カロリーを上げすぎないように、1日の運動時以外の活動量が減ったり、筋肉の効率化が行われたりというような理由でした。


それを打破すべく、カロリー制限の上で以下の3ステップを踏むことが重要でした。


ステップ①:軽い運動の習慣をつける。(10分ウォーキング)


ステップ②:NEATを維持しながら、運動時間や強度をあげる。(携帯で歩数チェック&停滞時に510分増やす)


ステップ③:運動習慣を持続させる。(ある程度まで体重目標が達したら、時間や強度を落として調整する)


この3ステップがありました。


これに加えて、同時並行で筋トレを行うことが非常に重要でした。筋肉の効率化を避けるためです。


以上が有酸素運動をうまくダイエットに活用させるための理論と方法でした。


運動は気分もリフレッシュさせることができるので、是非少しずつ試してみていかがですか?


 

廣田


 

 

参考文献


1 :


Effects of experimental weight perturbation on skeletal muscle work efficiency, fuel utilization, and biochemistry in human subjects


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19889869/


2


Constrained Total Energy Expenditure and Metabolic Adaptation to Physical Activity in Adult Humans


https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0960982215015778


3


Resistance Training Reduces Skeletal Muscle Work Efficiency in Weight-Reduced and Non-Weight-Reduced Subjects


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30260099/

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